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畿央大は昨日、ずっと腰痛が続いている患者は歩くときに体がぐらぐらしてしまい、特にそれは普段の生活でより起こることを発見した。この研究は、畿央大の西祐樹 氏、森教授らの研究グループによるもの。

ずっと腰痛が続いている患者は、立っている時や持ち上げ動作中に体幹がぐらぐらになることはすでに明らかにされている。一方、歩く時に体がぐらぐらする事については明らかになっていない。さらに、腰痛の運動制御の研究は、整えられた研究室のみで調べられていて、実際に腰痛が発生する普段の生活においてはスルーされていた。

そこで、ずっと腰痛が続いている患者と健康的な人とを対象に実験を行ってみた。

[実験内容]
腰に加速度計を装着し、「外来リハビリ環境」と、3日間の「普段の生活」において計測した。加速度データから前後軸、左右軸それぞれにおいて、変動性の変数としてストライド間のSDおよびマルチスケールエントロピー、安定性の変数として最大リヤプノフ指数を算出した。

身体のぐらつきは普段の生活でよく起こる
その結果、ずっと腰痛が続いている患者では、左右も前後も体がぐらぐらとしていて、それは普段の生活で特に起こるがわかった。また、これらのぐらぐら歩きは、普段の生活してる時にだけ痛みや恐怖を感じ、更に普段の生活に悪影響を及ぼしている事がわかったという。

このことから、外来のリハビリの環境だけでは、ずっと腰痛が続いている患者の体のぐらつきがよくわかっていない可能性が考えられた。また、左右にぐらつく時は痛みや恐怖を感じて本能的にバランスを保つ一方で、前後にぐらつく時はそのバランスがうまく機能せずに不安定になってしまい、その影響で普段の生活全体の調子まで悪くなってしまう事がわかった。

普段の生活での歩き方をどう判断するかは実は重要では?
今回の研究で、腰痛が悪化するのを防いだり腰痛の状態をちゃんと把握するために、普段での生活する時の歩き方はちゃんと調べたほうが良いなという事がわかった。「もうちょい色々調べてみます」と、研究グループは述べている。

 

元記事

慢性腰痛患者の歩行時の体幹制御は日常生活環境に依存する-畿央大 - QLifePro 医療ニュース