うねるから、くっついたり離れたりする

 1Q84を読んでいる。面白い。普通に先が気になるくらいにはミステリーの体裁を取っていると思う。
 最近はインプットばかりしていてアウトプットをする気が全く起こらなかった。や、したくはあったんだよ。アウトプット。ただ、どうもPCに座って「深い集中をする」ってのがどうしても億劫で、しんどくて。言葉にするのとか、映画を見るのとか、ゲームをするとか、そういう「没頭」が最近とんと苦手になってきている。仕事をするようになってからそういう事が苦手になってきたなあ。
 代わりに独り言の量は増えた。俺の独り言はぶつぶつ小声で言うような類ではなく、意識的に、明確な声で、独演をするかのように「しゃべる」。「呟く」では無い。思うに、誰かに愚痴ったりする代わりに俺は空気に向かってしゃべりかけているのだと思う。それはこの文章も似たようなものだ。ただ、独り言では何かを掴むまで延々と思った事を言ったりする。ここでは少しだけ「形」を意識する。まあ、出てくるものは大差無いかも知れないけれども。パラグラフを云々とか考えて文章を書くなんて、そんな面倒臭い事は仕事以外ではしたくないなあ。
 何があったかって言うと何があった訳でもない。ただ、一人が物凄くしんどくなった辺りで風邪をひいて、二週間ほど意識が不明瞭になった。不明瞭な間にツイートしたものを誰かが見てくれて、何か共感をしてくれた。縁を作る能力がまだ俺にあったんだって思った。少し嬉しくなった。
 で、風邪が治ってから寂しいのがあまり苦じゃなくなった。冬が馴染んできたというか。
 部署が変わってから、いや、去年やってたような学生ににこやかにする「だけの仕事」から降りて、学生たちとの縁が薄くなった。これからもっと薄くなるかも知れない。というか、それ以前にここから春が来るまではあんまりもう彼らと関係ない場所に位置付けられるのだ。彼らは試験に苦しんで、その後ちょっとだけの自由を満喫する。俺は変わらず同じ位置の席について、なんかよくわからん書類をぶち撒けながらパソコンで数字を打ったり色んな人に連絡をしたりする。重なっていた線はまた逸れ始める。そうして春が来たら、また新しい18歳にまみれる事となる。
 それに対して寂しいのはもちろんだが、正直もう4回目になるので、「またこの季節が来たなー」という気にもなる。俺はこの職場で働き始めたのは12月からなので、ここらへんの時期が原風景なのだ。更新が始まっている。一年がもうしばらくしたらまた始まる。