ツーファイブ講座
ツイッターに書いたものの転記になります。転記した理由は良く書けたけど普通にシカトされて悲しかったから。
真夜中のジャズ講座。「ツーファイブって何?」
ツーファイブ(2−5)というのはジャズのコード進行の1セットの事です。その曲のキーから考えて「2度、5度、1度」という進行をしている事をツーファイブという「俗称」で呼びます。
この「度」というのは何の事なのか。ドレミファソラシドという音階があります。このドから指定の音まで「何個動いたか」というのを度数というもので計ります。
と、言いますととてもややこしく聞こえるのですが、例を言いますとドとレは2度。ドとミは3度。ドとソは5度。ただドレミを123と数字に並べ換えただけです。
ツーファイブというのは2度5度1度。つまり、ドレミファソラシドで言うと「レ、ソ、ド」という事になります。
これはどのキーでやっても同じです。例えばAbはAbBbCDbEbFGAbという音階になっておりますが、Abから数えてDbは4つ目。つまり、4度という事になります。
で、これを踏まえた上で以下リンクの一番上の音階をご覧あれ。
http://mofumofu.quu.cc/yami/waku/riron/diatonicchord/
これはCのコード(ドミソシ)を鍵盤で言うと横にスライドさせて行ったもの(ドミソシ、レファラド、ミソシレ)ですが、これにはそれぞれC、Dm7,Em7,F,G7…と名付ける事が出来ます。
そして、更にこのCとかDとかをさっき行った度数に置き換えると、C=Ⅰ,Dm7=Ⅱm7,Em7=Ⅲm7と変換する事が出来ます。
何故わざわざ度数に入れ替えるかと言うと、これも先ほどの度数と同じように「どのキーでやってもこのコードになる」法則があるからです。BだろうがGbだろうがDbだろうが、2度目はm7になるし7度目はm7-5になります。これは超重要なので是非覚えて頂きたい。
さて、ツーファイブの前に度数やらダイアトニックコード(先ほどのリンク先の譜面をそう呼びます)を学ばなければいけなかったのですが、本題のツーファイブについに行きます。そしてすぐ終わります。
ツーファイブは2−5−1、つまり、先ほどのコード表で言う所のⅡm7→Ⅴ7→Ⅰという進行の事を言います。CのキーならDm7→G7→C、FのキーならGm7→C7→Fになります。
何故これが重要かと言うと、皆様方のスタ本に「ほぼ100%入っているコード進行」だからです。色んな曲で見てみて下さい。最低でも1個、すごい時には5個も6個も入っています。
皆様方の先輩方がドヤ顔で「ジャズメンはツーファイブのフレーズ覚えて耳コピしてりゃ良いんだよぉ〜」とか言うのをよく目撃しますが、耳コピはともかく何故ツーファイブが重要かと言うと、非常に使用頻度が高いので数個覚えるだけでもとても応用が利くのです。
更に言うと、適当に曲開いてみて「Xm7、Y7」というコード進行が並んでたとします。このXとYが隣り合ってる音では無くちょっと離れた音だとします。それは大体ちゃんと数えるとツーファイブになってます。ジャズ曲はホントツーファイブ進行の嵐です。スタ本は尚更そのように書かれています。
なので、それっぽいツーファイブのフレーズを三つくらい覚えて全キーに転調したりすると、貴方はその時点でスタ本の全曲に対していきなり初見でアドリブが出来る実力を発揮する事が出来ます。マジで。
ちなみにメジャー曲のツーファイブはⅡm7→Ⅴ7→Ⅰですが、マイナー曲のツーファイブはちょっと違っててⅡm7-5→Ⅴ7→Ⅰmになります。これも超大ざっぱに言うと曲適当に開いてXm7-5があったら大体マイナーのツーファイブになってると思って下さい。
で、ざっと見てXm7、Y7の進行があったとします。それだけでは何のキーのツーファイブかわからない場合、Xの1度下(半音2個下)の音を想像して下さい。そのキーです。例えばBだったらAです。
ここで一個実例を出します。グリーンドルフィンですが、まあ目立って見えるツーファイブは二つ。Fm7→Bb7、Abm7→Db7です。Fm7→Bb7は典型的なEb(調号で♭3つ)なのですが、それではAbm7→Db7は何のキーなのでしょうか?
これも↑で出たのと同じ考えをしてみます。Abm7→Db7のAbの半音2個下は何の音になるのでしょう。Gbです。つまり、これはGbのツーファイブなのです。
Gbのツーファイブなので、このコード進行が出ている時は「Gbのキーの音階しか使えません」。これがわかってるのとわかってないのではジャズ研1年分くらいの違いがあります。超重要です。GbのツーファイブにはGbの音階しか使えません。
ここで転調がちゃんと出来てるか出来てないかで普通に出来る奴かヘボかが一瞬で判断出来てしまうので注意しましょう。時々いるのですがMoments NotisでEb(譜面の調号)一発吹きをしているのはI am pigと言ってるのと同じ話です。出来ないなら吹くなや。
それでは、簡単なまとめ。
①ツーファイブとは2度、5度、1度のコード進行の事を言う。これはダイアトニックコードに照らし合わせるとⅡm7→Ⅴ7→Ⅰ(マイナーだとⅡm7-5→Ⅴ7→Ⅰm)になり、このコード進行はスタ本の「ほぼ100%の曲に使われている」。
②ほぼ100%の曲に使えるコード進行をどう捉えるか。1:このコード進行で使えるフレーズを3つ4つ仕込んで転調も出来るようにすると、ほぼ全部の曲が初耳で弾けるようになる。2:ツーファイブを見るだけでその部分がどのキーに転調してるか判別つけられるようになる。
③判別する方法はⅡm7の半音二個下の音を探ってみる。それがそのツーファイブのキーである。そのツーファイブの範囲内ではそのキーの音階しか「基本的に使えない」。