祭りを見ながら


 母校の定演を見に行った。弾いたし飲んだし楽しかった。
 でも、時ってのは徐々に俺と彼らを離していく。別に仲間にならなくて良い。ちょっと見にいければよい。でもそれがあとどれくらい出来るかな。彼らはどこまで俺を許してくれるかな。そんな事を思ってもそろそろ良いかなと思い始めた。
 いつも思うのだが、俺は「先輩だから行く」のでは無く、ピアノが弾けて彼らにプラスになる言葉が出せるから行っている。そう思いたい。何の根拠も無い(彼らと共に学生生活を送っていない)「先輩」という言葉を相手がどう捉えるかは自由だけど、少なくとも俺はそれに拠りたくない。勿論俺に大層な強制力なんて全く無いんだけど、もし俺がその幻想にすがってしまったら?それは結構怖い想像だ。その時俺はただのゴミになるだろう。
 で、行く度にこんな事を思うのだから、母校というのはよっぽど魅力的な場所だと思うのだよ。楽しそうだし、無条件でリスペクトしてくれるし。ピアノも弾かせてくれるし。あんな都合の良いぬるま湯は他に無いと思う。本当にあそこが遠くて行き辛い場所でよかった。