大きな政府と高福祉社会


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090727


 毎度ちきりんさん所から。
 国家を運営していく上で必ず議題に上るのが「福祉や医療をどうするのか」と「税率や最低賃金を上げて会社が外国に逃げたらどうするのか」という話だろう。上記の文章を見て気付いたのだがここらへんの話は実は密接に結びついている。
 俺は細かい知識が無いので大雑把なイメージしか出来ないのだが、単純に考えて国際競争の今の時代、企業にとって「有り難い国家」とは「自分の邪魔をしない国家」だ。金がかからない環境で良質のものを大量に作り、規制に邪魔をされないで自由に商売が出来るところが一番適しているだろう。企業がボーダレスな文化を育てていくならば国家というのは「単なる足場」でしか無く、他に良い所があればどんどんと移動していく(と考えられている)。
 対して、政府(国家)というのは「そこに住んでいる人達」の事を第一に考えなければいけない。企業は大切なお客様*1。そのお客様から有りがたく頂いたお金を国家維持の為に分配していく。医療や福祉、教育というものは国家運営の為には非常に大切な要素だが、同時にお金を沢山食う。お金を沢山食うものを維持していくにはお金を沢山回収しなければいけない。企業は大切なお客様だから、万が一逃げられては大損となる。さて、どうするか。両者のバランスをどのように整えるか。
 一から上客(大企業)を作っていくには時間がかかるし、作るには土壌が必要だ。それまでは大企業の言う事もちゃんと聞かなきゃいけない。万が一にでも、逃げられてはいけない。出来れば外国人からもお金を回収したい。でも、外国人に国家の舵取りをのっとられては本末転倒になる。
 俺が政治家に求めるのは、このようなバランス感覚だ。徳とかリーダーシップとかそういう曖昧な概念は求めていない。環境を整えてくれるのが政治の役割だと思っている。

*1:何しろ税金を納めてくれる大本命だ