メイドとお坊ちゃま

：渚さんさー。
：何だい青少年。
：いっつもそのヒラヒラしたメイド服着てるけど、動きづらくないのそれ。
：ああ、これ？陽ちゃんも着てみる？
：着ねえよ！！
：いやね、これ動きやすいのよ。意外でしょ？
：あれ？そうなん？そんなに重そうな格好なのに。
：こう見えてフルオーダーだからさ。上手い事全体の重さを分散して普段の服よりも軽いくらいよ。
：そうなんだー。意外だな。
：スカートとか黒いしね。重そうに見えるでしょ。これがなかなか。お姉ちゃん初めて着た時びっくりしちゃったよ。
：そんなもんなんだ。知らなかったなあ。
：着てみる？
：着ねえって。でも暑くない？分厚いしピッチリしてるし。
：うん、それは少し。
：渚さんよくバタバタしてるもんね。
：うははは。すんません暑いもんで。
：暑いなら脱げばよいのに。
：いやーーーーーーそれもねー。何か、違うじゃない。やっぱメイドさんはメイド服を着ないと。
：渚さんが今更体裁気にするとは思わなかった。
：うるちゃい。しかし、まあ自分でもこんなおっぱい強調した服をよく着てると思うわ。
：･･･あー、そうねえ。
：お。少し意識したな。
：してねえよ！
：いやーん胸をガン見なんてセクハラよう？陽ちゃん？外でそんな事やったら女の子に最低呼ばわりだね。
：しねえよ！つーか話題振ったのはアンタだ！！！
：はっはっは。関係ないけどルーシーちゃんトコの服可愛いよねー。
：ん？んんーー。どこも同じに見えるけど？
：全然違うじゃん！あたしのコレも良いけど、ルーシーちゃんとこのはもっとスタイリッシュでかつ可愛いじゃん！！あれは高いよー。絶対。ウン十万はするね。
：渚さんの服は？
：ウン十万。
：同じじゃん。
：同じウン十万でもルーシーちゃんのウン十万とアタシのウン十万とではさらにウンテイの差があんのよ。いや、これも高いけどね。あたしの持ってる私服のどれよりも高い。
：渚さんが服に金かけなさすぎなんじゃん？
：アホか！アンタん家と一般庶民のアタシん家の服のかけ方が同じだと思うなよ！アンタもいっつもクソ高い服を汗だらけにして帰ってきやがって！
：ま、まあそれは仕方ないじゃんよ。
：まあねー。でもアンタん家の服一着パチるだけであたしは何食豪華な食事が食えるか。いつも洗濯機の前で思案のしどころなのよ。
：･･･渚さん切ないなー。
：そう思うなら何か旨い飯でも奢れ。