メイドとお坊ちゃま

:いやね、陽ちゃん、あたし思ったわけ。
:何が?
:あたしもう何年かこういうメイドさんって仕事してるじゃない。あれだね、最初思ってた幻想とか、だいぶ消し飛んだね
:うーーーーーーん。渚さんじゃあなあ。
:世間で言うメイドさんみたいに「いらっしゃいませご主人様ぁー☆」とか「今日のメイプルシロップは如何なさいましょうかぁー(ウフン)」とか、そんな感じの人になるのかと思ってたのよ。
:無理だろ
:無理だよね
:大体渚さんがそんなキャルーン☆みたいな態度とったら、俺も何かさあ、ホラ、キモい?
:ははははは。それは同意しとく。あたしもキモい。
:見かけは綺麗なのにねえ渚さん。
:モデル体型なのにねえ
:自分で言うなよう。
:看板に偽りは無いぞえ!(クワッ)
:・・・・・・・・・
:あ、あれ?ちょっと表情やりすぎちゃった?
:・・・・・・・・・こんなに珍奇な変顔が出来るメイドなんて聞いた事ねえー。
:いやいや、わからんかもよ?他のメイドさんもこんなお茶目をしてるかも知れないじゃない?
:ルーシーさんとか?
:あーーーーーー。あれはー、ねえなあーーーー。
:千恵子さんとか?
:あー。うーん。いや、やってるかも・・・。


(ルーシーさんと千恵子さんは友達の家のメイドです)


:渚さんもお父さんとお母さんいる前では思い切りネコかぶる癖にねえ。
:いやいや、あの人達はあたしにとって雇用主じゃない。もう、そりゃ礼を尽くしますわよ。プロですもの。
:えー。俺には?
:何アンタ。お父さんお母さんにやるみたいな営業状態のアタシと話したいわけ?
:うーーーーーーーん。それもいいやー。
:でしょ。陽ちゃんとあたしはお友達。それでよいじゃなーい。
:うーーーーーーーーん。
:宜しいでしょうかお坊ちゃま?うふん。
:最後に変顔を付け加えるな!!!!