さて、枯葉以降の話


 俺のレッスンでは極力コードの事は考えずにしようと色々工夫をしてたのだが、こっから先の歌モノをやろうとするとどーしてもコードを深く触れなければならない。今までは「曲全体のキー」として考えれば良かったのだが、ここからはそれを更に細分化させて「一小節(半小節)」でモノを考えなければいかんのだ。
 まず、その小節(半小節)上に乗っているコードから、「どの音を鳴らせる」のか熟知しなければいけない。
 そこからそのコードから「作れるメロディ」を模索していく。この時点では小節小節は完全に「分断」して考える。次のコードに移った時、前の小節で使っていた音の設定は完全にクリアにしてまた一から考え直す。各小節ごとに独立してメロディの断片をいくつか作っておかないといけない。
 それが出来たら今度は小節小節ごとに断絶されたメロディを「つなげる」作業をしていく。前のコードのメロディと次のコードのメロディは「どうやったら自然に繋がるか」。それを地道に実験、学習、もしくは模倣をしながら学んでいく。
 普通はこの時点で大量の模倣をするのがセオリーだ。最初からメロディを作っていくのは大変過ぎるので、ごまんとある既成のメロディのいくつかを反復練習して血肉にしていくのだ。創造性のカケラも無い地味で苦痛な作業だが、後に自由気ままに弾く為にはこの作業は欠かす事が出来ない。
 これが出来たらメロディの取捨選択に入る。その時点になって、初めて本人の「感覚」を十二分に発揮する事が求められるのだ。