古屋雄作「カリスマ入門」


 をやっと読んだ。メチャメチャ面白いんだけど、これを簡単に楽しむのは難しい。
 世の中で跋扈している面白カリスマさん(お塩先生とか)の面白セリフを非常ーに細かい所から抽出して紹介、分析している本なのだが、非常にややこしい事に「こいつこんな面白い事言ってるんだぜ!」とあげつらうのでは無く、「さすがカリスマ!みんなも真似してみよう」と「逆に持ち上げる」方向に立場を置いている。更に「なるべくお堅く、真面目な感じで分析しよう」としているので、見た目、中身共に異常な程に地味になってしまっている。しかも、意図的に地味にしているのだ。俺は長年この人のファンなのだが、そんな人間からしても「こいつ売る気あるんか」と思わざるを得ない。そもそも見た目をわざと専門書っぽくデザインする事に何の意味があるのかと言いたい。
 このように古屋雄作という人は恐ろしくひねくれた人間である。
 本当は文章書かせても天才的に面白いんだけど、古屋さんの「(自分が考える)ギリギリまで偽装しよう」というある意味間違った情熱により、その「本来の面白さ(性格の悪さ)」がギリギリまで削られているのが残念。たまーに漏れ出てる本音部分と悪意に満ち満ちた「カリスマポーズ」でその一端を見る事が出来る。そこの部分を本屋で読んでて俺は素で吹き出した(本屋で)。
 色々言ってますがムチャムチャ面白いです。本屋で見つけたら是非一読を。でも本当は面白いインタビューに赤線だけ引いてある本を出したかったんじゃないかなあ。俺もそれが見たかったです。この人が指摘しているものは絶対に面白いので。