ネットがもたらしたものを考える


新聞の窮状はネットやITでは救われない


 重度のネット中毒である私だが、最近はこのテーマで考える事が多くなった。
 ネットってやっぱ革命だった。どういう風に革命だと言うと、「表現」「思考」「情報」の価値が一気に希少性を失って下落した。*1共有ってのは恐ろしい破壊力を持っているな、としきりに思う。
 例えば俺はRSSで4社くらいの新聞記事を見ている。これは元々「人間が調べて手で書いた代物」である。その労力に価値が無いはずが無い。なのに俺は無料で2分くらいで流し読み出来てしまう。当たり前のように行なっているけど、結構これって怖い話だ。「当たり前のように思う」事こそが、多分怖いことだ。
 例えば音楽業界。今は素人目にもかなりヤバい事になっているが、正直俺はyoutubeのせいだと思ってるのよ。元々、ネットではタダ音楽や着メロが流れていたけど、それだって非合法ってのが前提だったように思う。mp3は昔「もせ」という隠語で呼ばれていた。ウィルスや隠しファイルだらけの闇サイトにアップされていて、色んなリスクを背負わなければ「音楽をタダで手に入れる」なんて出来なかった。「nupster」「winMX」や「winny」などのP2Pが出て一気に違法ファイルが流通されるようになったけど、それだって基本は「違法」だ。後ろめたいものが常にあった。
 youtubeの使用を「違法」だと考える奴はどれくらいいるだろう。youtubeは何よりも「商業音楽を共有する事は当たり前」という認識を人に植え付けた。その点では革命的だったし、同時に核爆弾のような破壊力を持った。youtubeが出来たのは2005年でまだ四年しか立ってない。*2たった四年で「コレ」ですよ。俺はyoutubeが出てからCDをほとんど買ってない。購買意欲も激減したと思う。
 話にまとまりが出なくなってきたのでここらへんにしとくけど、youtubeとかニコニコとかgoogleブックとかネットニュースとか、本来はムチャムチャな話だと思うんだ。ネットは「文字」と「絵」と「音」で作られた「商業」をズタズタに破壊した。それが「来るべき世界」だったのだとするのなら、その後はどういう世界が来るのだろうか。そこがわからん。ちなみに私は筋金入りのフリーライダーで卑怯者である。だから基本的に言う資格は無いんだけど、その卑怯者から見ても「うーん」と考えさせられるんだよね。

*1:無価値になった訳じゃない。「下落」。

*2:今気付いてビックリしたが、mixiの方が歴史が長い