GreenDolphin


 今日は三、四段目*1に注目している。ここの先4小節と後4小節がつい分断して弾いてしまいがちで、アドリブのメロディが「切れて」しまいがちだ。そうなると全然弾いてて面白くない、ただのフレーズ当てはめのソロになってしまう。
 当たり前の曲でつまづき、いちいちそれに何ヶ月もうんうん考える。「曲が弾ける」というのは本当に簡単に言う事の出来ないセリフで、コードに合わせてフレーズが弾けるばんじゃーいなんてのは入口でしかない。ピアノは特に手抜きしやすい楽器だと思う。心が篭もってなくても、覚えた手癖を再現しているだけでそこそこ形になる。しかし、それでは最初から最後まで「聞いてもらえる」音楽言語にはならないんじゃないかと思う。そこが俺のこだわりだ。


 そういやこの前のレッスンで生徒さんと一緒にとある現代演者によるスタンダードを聞いたのだが、「つまんねー!」の一言で終わってしまった。もうこのアルバムはジャケからして有りえなかった。演者がリラックスそのものの顔をして弾いている。本来「自由を掘っていく」作業がリラックスして行なえるわけがないのだよ。このアルバムは完全に「仕事」のジャズなので責めることなんて出来ないのだが。音楽に魂はあります。デジタル慣れしたりテクニック慣れしたりするとそれが見えなくなるのだけれども。

*1:Fm7 Bb7 Eb Eb /Abm7 Db7 Gb部分