即興は難しいか否か


 簡単です。
 しかし「音楽」にするのは難しい。
 「音楽にする」ってのは「お客さんを巻き込んで是と出来る空気を作れるか」て事で、俺はそこらへんをすごーく気にする。ただやりたいだけの即興をドンガードンガーバフーオウイエーと叫ぶなら自慰と変わらないし、それなら別に人前で公開する必要は無い。自慰超楽しいけどね。それはそれで必要だと思うけど。
 で、既存ジャンルの人達がこの「音楽にする」というのを注視する必要が無いのは、最初から「ジャンル」という枠組が既に出来ているからだ。ジャズをやる人だったらジャズの枠組内で音を作ればよい。そしてジャズの客を呼べば良い。それでオッケー。ロックも同様。しかし、即興には「最初から用意された枠組」が無い。だから演奏者も客も、手探りで体験しなければいけない。だから「音楽」にするのは難しい。
 いや、何でこんな事グダグダ書いているかと言うとですね、今度母校の合宿に遊びに行こうかと思ってんですけど、そこで「バンド組め」みたいな事を言われたので、んなら「即興やろうかなー」と一瞬思ってしまったんですよ。でもそこで考え込んでしまって。「即興って、やらせる必要あるのか?」みたいな。「母校のジャズ研」に必要なのって、やっぱり枠組の「ジャズ」なんじゃないか?とか。「表現」は必要なのか?「テクニック」で良いんじゃないか?何と言うか綺麗なイラストを書こうと邁進している人達に「芸術は爆発だー」みたいな事を言うのって、意味があるのかな?


 音楽の「深み」は本当に面白いんだけどね。


 でも、それが必要かどうかはまた別の話。大体「深み」を見るような人はあんまマトモな道は歩けないよ。自分や近しい人を見て、そう思う。俺は好きだけどね。