ピアノとカレー


 さっき、久々に即興とキチンと向き合った。何となくピアノの音を散らすのではなく、A音をひたすら重ね、その音を慎重に聞きながら、それと脳との反応を少しずつ新たな音に反映させていく。俺はループが好きだ。同じ音、同じフレーズを重ねながら、重ねることで生じる小さな波を体中にしみこませていく。コーヒーをしこたま飲んだので、頭は回転し始めている。俺の体が奇妙な動きをし始めた。音がそのまま自分になるような、単なる共鳴板に体が変質していくような、そんな感じ。周波数は波であるし螺旋であるし、靄のようでもある。たまにのっぺりとした「場」を引き締めるために、音を動かす。素早く。ねずみを走らせる。
 「螺旋」というのはキーワードだ。同じことを何度も何度も、ぐるぐると、まるでハツカネズミが水車を回すが如く繰り返していく。同じことをやっているようで、少しずつ「場」は今いた位置から上へと浮き上がっていく。それが自覚するのは随分と後になってからだ。いつものようにぐるぐる回って、ふとした事で下を向くと、その高さにビックリする。その繰り返しだ。
 あー腹減った。カレー食おうカレー。ポニョのトリオがテレビに出てるが、周りの優し過ぎる視線が非常に気持ち悪いね。男女関係なくロリコンの目になってますよ皆様がた。