矛盾


 このネタは結構危険なんだけど、結婚すべき年齢の矛盾について考えようと思う。
 生物学的には、30歳をピークに子供を生む力は減っていく、という話を聞いた。実際、世の女性方は25を過ぎると焦り始める人が多い。世の中は明らかに晩婚化に進んでるんだけど、体の成熟ラインはそれを許してくれない。その矛盾に苦しんでる世の女性が一体どれだけいるだろうか。
 子供を生むのが可能になる年齢は大体12,3だと思うけど、最低でも社会的に生むのが許される年齢はそれから4年後だ。つまり「子供を生む年月」を4年は捨てなければいけない。だが、だから早ければ良いなんて事は絶対に無い。去年の日本中の虐待件数は300件超である。その背景に親の精神的未成熟が関係しているのは想像に難く無い。親ってのは「子供を無事育てなければいけない」存在である。が、その成熟まで達することが出来るのは、どのくらいの経験が必要なのだろうか。勿論、個人差はあるにしても。
 子供を生める年月が仮に30年だとしよう。だが、世の中の大半の男女は22歳でようやく教育課程を終わって社会に出る。社会に出るのを遅らせるのは「出てからより大きな人間になるため」であるが、精神的に揉まれて成熟するのはむしろ社会に出てからだろう。その最低限の成熟の期間を3年と仮定する。すると25歳。「結婚適齢期がスタートする時期」がそれだとすると、「生物学的に子供を生む期間」と既に13年ものズレがあるのだ。肉体的なピークと社会的なピークに大きなズレがあるというのは当たり前の事なんだろうけど、こうやって仮定を重ねて考えるだけでも随分と深刻だ。成熟社会が晩婚化、そして少子化の流れに進んでいくのはむしろ当然の成り行きなのだ。
 で、最初のトピックに戻るけど、25を過ぎると焦り始める女性は多い。それは「自覚的に結婚を意識し始める」時期が、既に「生物としての適齢期を半分過ぎている」事から起こる感情なのだと思う。しかし、それはやはり矛盾なのだ。社会的な人間と生物学的な人間のズレというのは少し考えても良いテーマだと思う。また、それは「成熟している側」の人間になったからこそ、考えられる事だと思うのだ。