考えなくてもよい場所を作る


 ピアノを弾く。まあ、何だかんだ言って時間の取れない平日でも5〜10分くらい弾いてれば腕の維持は大丈夫だな、とか思った。最近楽な曲リストにドナリーが入ってきて、いくらなんでも弾き過ぎなんじゃないかと思うけど頭カラッポで弾けるからつい弾いてしまう。Abだしコードはわかりやすいバップだしテンポは上げやすいしで、練習にはかなりうってつけ。手癖全開で指慣らしをするのには丁度良い。歌心とかを入れようとするとなかなか難しいんだけど。今日はテンポ280で弾きました。もちろん指はもつれまくるけど、意外と出来るかも、という感じ。
 んで。
 俺みたいな「その場その場で新しい事を考える」ようなタイプのピアノ弾きは、やはりその「新しい事」を考える余地というか、思考の隙間というか余裕があればあるほど良いな、と思った。例えば、速い曲に慣れれば慣れるほど遅い曲の選択肢が増える。それぞれのキーの基準フレーズを覚えれば覚えるほど変なフレーズを考え出せる。曲の流れがわかればわかるほどそれを脱線することが出来る。クラシックをやればやる程タッチの緩急をつける事が出来る。
 もちろんこれには色々と罠があって、既存の枠を鍛えれば鍛えるほど枠の外し方を忘れてしまう、という事もある。そこらへんも意識しなきゃいかん。ただ、そういう余裕を生み出す必要性もあって俺はここ数年当たり前の事を当たり前に弾く練習をよくする。幸いにも、枠のはずし方だけは大学時代にアホみたいに研究していたのだ。