続・大学生ジャズ(2)


 で、本題。俺から言わせてみれば出来ない内は出来ないなりの曲を選んで練習した方が絶対に良いのだが、こと発表という場になるとそうもいかない。当事者達にも意地があるのだから、少しでも良いパフォーマンスを見せようと思えば速い曲変わったキーの曲キメキメの曲に手を出さずにはいられない。実際に易しいスローテンポの曲ばかり弾いているとジャズは泣きたくなるくらい退屈な音楽に様変わりする。テーマとキメを練習するだけだったら1,2ヶ月の練習で何とかなるし、自然とそちらに重点を置くようになる。こうしてテーマとキメだけ完璧、あとはスカスカという「大学ジャズ」が完成してしまうのである。
 正直な所、アドリブ部分は演奏時間の3分の2は占めているわけで、ここがスカスカだとやっぱり結果的にスカスカになってしまう。かと言ってソロを練習するにも曲自体が難し過ぎる。実際、バンド練でソロ部分を徹底的にやってるのってあんま見た事が無い。
 ここがジレンマだ。難しいところだが、何とか解決方法を探っていきたい所である。
 いっその事、少なくとも難しくて見応えのある曲に関しては書き譜、コピー譜を使ってしまったらどうだろう。現場の創造性という点では1歩も2歩も劣るが、とにかく反復すれば必ず身に付くというメリットはとてつもなく大きい。アドリブを丸ごとコピーしなくても、ソロ部分の途中で合いの手やキメフレーズを作るだけでも見栄えはかなり違うものとなるだろう。「いや!俺は自由に弾くんだ!」という人は好きにすれば良い。どうやっていいかわからないと言う人は沢山いるのだが、ジャズの名曲には既に「先人のお手本」という特効薬が存在してるのだ。これらはCDから抽出することも出来るし、耳コピが苦手な人は本屋で譜面を買えば良い。


 とは言え、これはあくまでも「発表の場を誤魔化すための裏技」に過ぎない。中にはそっちを完璧に磨いて磨いて一つの形に仕上げた後輩の子もいるわけだけど、俺としてはやはり物足りない。アドリブも少しは考えましょう。アドリブは反復練習だけで何とかなるもんじゃないけれども、それでも積み上げれば必ず上手くなる類の代物です。ピアノをやるなら、CjamとFryMeToTheMoonは初期は外せないと思うよ。