「攻め」と「守り」


 「攻め」ている勢いのある人間は陽気でパワフルで、きらびやかなアイデアがいくつも出てきて人を魅了する。反面、足元は留守になるので思わぬ事につまづきやすい。得意と不得意がはっきりと分かれたりする事もある。
 反面、「守り」の人間は基本的に逆風に備えている人間である。感情の起伏は少なく、一つ一つの事に慎重になりながらも、無駄を嫌いミスを嫌い、一つ一つ積み上げて努力する。積み上げたものは腰を据えた地力と年季を感じさせるが、突き抜けたものは出にくい。新しい事には基本的に懐疑的である。
 以上、これは「二年前の俺」と「現在の俺」の話だ。環境の違いは「順風」であるか「逆風」であるかだった。キリギリスは冬に餓死してしまう。アリは生き残っても夏に人生を謳歌することは出来ない。絶対的な優位は無い。それは、社会に対する相性があるのみである。