考えれば考えるほど②


 しかし、即座に俺は分析、反省を脳内で進め、返事をする時点で既に諦観の段階にまで達してしまっていた。大切なところが何一つ伝わっていなかったのは俺のせいだと思ってしまった。
 俺の中では暗点というのはまず「イベント」であり、それは「暗いところで行うピアノとパーカッションの即興」である。だから「密室」というのは重要なポイントであり、それ以前にイベントであるのだから人を集める、料金を貰うというのは最低限のルールだと思っていた。それの周知がまるで足りなかったのだ。これは俺が悪かった。最近話が噛み合ってるようで噛み合っていなかったのを放置しておいたのもいけなかった。そう、その瞬間に俺は自分が見ていたものと相方が見ていたものの違いをようやく理解したのだ。この時点で理解してはいけなかったんだけども。ここで納得するのは俺の悪い癖だ。
 人に任せたものを、自分の幻想で期待するのは間違っているのかもなあ。
 と思った晩秋の夕暮れ。そういや以前mixiで即興セッションに誘われたは良いものの、余りにも予定の立て方が杜撰でブチ切れたらそのままフェードアウトした奴がいたな。こういういい加減さは自分にも見るべき点がある事を沢山教えてくれる。自戒せねば。