ハーバード流“NO”と言わせない交渉術



http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4837907377/503-9080488-2018356


今読み進め中だが、久々にかなりの良書。
相手をやりこめる事無く、自分の意見だけを押し通す事無く、双方の利点を推し進める形で交渉を解決していこうという趣旨。所謂「win-win」という奴ですが、この本の特徴的なところは心理学的なアプローチをも含め、かなり具体的な方法論まで持っていっている所にある。ここで一個ケースを引用してみよう。

ほとんどの交渉は次のようなやりとりのうちに展開していく。

夫 (正当な問題提起をする)―おい、家の中を何とか片付けなければならないな。ひどい散らかりようじゃないか。
妻 (自分が一方的に個人攻撃をされたと思って)―何言ってるのよ。貴方こそ何もしてくれないじゃないの。大体貴方がそんな事を言えるの.約束した事だって何一つやってくれないくせに。
夫 (相手の言葉を遮って)―わかってるよ。わかってるって。それはだな…。
妻 (相手の言う事を聞こうとせずに)―ゴミ出しは貴方がやってくれるはずじゃなかったの。結局、今朝だってゴミを出したのは私なのよ。
夫 (元の問題に戻そうとして)―そうムキになるなって。俺はただ、二人で一緒になってだなあ……。
妻 (依然として聞こうとせずに)―それに、今日は貴方が子供を学校に連れていく番だったはずじゃないの。
夫 (ついに怒り出して)―いい加減にしろ!今朝は、会議があったからしょうがないじゃないか!
妻 (とうとう叫び出す)―あーら、そうなの。それじゃあなたは、自分の時間の方が私なんかの時間よりもよっぽど大切だって言いたいのね。私だって仕事がある身なのよ。それなのに、いつもあれやれ、これやれってこき使われて……。もう私、疲れたわ。気が変になりそうよ!
夫 (負けじと叫んで応酬する)―うるさい!そう金切り声わめきたてるな。この家の家計を支えているのは、一体どこの誰だと思ってるんだ!

こんな風に、過去のどうしようもない事例をやけにリアルに引用して説明する。その解法も全く明解。正直、今まで自分の会話に欠けていた部分をすっぽり見つけた気分だ。
個人的に、これと話を聞かない男地図を読めない女を読むと男女の喧嘩はバッチリだと思う。(本書は勿論、ビジネスの事例も沢山あるけど)こんな良書を僕はブックオフで手に入れました。100円。