バッキング考



あめや君とこに触発されて書いたはいいが途中でsleipnirが落ちて全部消えるというアクシデント。ふがあ。なので、今度は重要なキーワード(俺の中での)を中心に話を進めてみることにする。文章の体裁保つの本当めんどいの。クソ長くて読むのもめんどいと思うからキーワードだけ読んでも可。

バッキングが無くても音楽は成立する

これは俺の中でかなり根幹を為してる考えです。ジャズは基本的にはピアノギターがいなくても成立します。なので、バッキングはデコレーション的な役割と考えるとわかりやすい。僕らは飾る役目なのです。

バッキングは他の奏者に確実に影響を与える

バッキングは基本的に「無くても大丈夫」なくらいなのでかなり自由にやる事が出来るのだけど、そのバッキングは確実に他の奏者に影響を与えます。それは心理的であったり、あるいは実際の演奏であったり。そこを踏まえてどうするかってのは大きなポイント。他の奏者を補強するのか、あるいは自分で新たな価値観を埋めこむのか。

バッキングのパターンは結構無限に近い

なので本当に上手くなる方法は一概に言えない。既存のバッキングコピーするだけでもかなりのパターンを持つ事が出来るだろうと思う。ただ、まあ音色とリズムに関しては研究しまくった方が良いかな。どことどこを抑えたらどんな音が出るか、どのタイミングで音を出したらどんなリズムになるか。リズムは3連4連で終わりだと思っちゃいけません。はっきり言って小節は無限に細分化出来るから。一小節を8等分するのと10等分するのは完全に別物でしょ?まずはその事実を知らなきゃいかん。で、それを勉強しつつ

バッキングが上手くなるには

少なくとも三つの方法があると思う。

同じ人とやるべし
沢山の人とやるべし
引きこもるべし

思いきり三つとも見事に別々のもので、これをバランス良く全部行った方が良い。まず、同じ人とやればやる程相手の呼吸がわかってくる。相手の欲しい音がわかってくるので、当然の事ながらやればやる程精度が上がっていく。ただ、これだけでもいけない。ワンパターンになる。なので、次に「沢山の人とやる」という必要性が出てくる。沢山の人の沢山の個性に揉まれていると、自ずと刺激を受け続けて勝手に上手くなっていく。
で、これで充分かと言われると実はそうではない。何故なら沢山の他人とやればやる程自分自身も他人からの影響を受けまくって、結果的に「ただの上手い人」に成り下がってしまうからだ。それでいいんなら別に良いけど、ジャズって個人のエゴを発揮するもんとちゃうの?と俺は考えるので最後の項

引きこもる

という方法が生まれてくる。一旦上で学んだ全部を忘れ去るのだ。忘れ去って、自分だけの表現方法をひたすら磨く。ここで必要なのは実験だ。ひたすら実験を繰り返して、他人には出来ないオリジナルなものを作り上げていく。「世の中にオリジナルなど無い」と考える事は無い。自分が確信を持って「これは俺のオリジナルだ」と考えるなら、それは立派なオリジナルである。勿論その境地に至るには実験をしまくらなければいけないが。一回世の中の枠を全部取っ払ってからでなければ、自分の枠を作る事は出来ない。
思わずオリジナリティの所に入って言葉に熱が篭もってしまったが、ぶっちゃけオリジナリティだけでも駄目なのが難しいところだ。何故かっつーとオリジナリティは無限に作れない、というか気合を入れれば入れるほど少数になる。なので、当然ワンパターンになる。独り善がりにもなる。ワンパターンや独り善がりを避けるためにはやっぱり「同じ人」とやらなきゃいけないし、「違う人」ともやらなきゃいけない。
そういう意味を込めて「三つ全部やれ」と俺は言いたいのであります。

まとめ

ちっとも具体論にいかないで申し訳ないが(これ人の為に書いてんのに)正直、具体論なんて人に貰ってもバッキング上手くはなりませんよ。マジで。まあこれはソロにおいても同じ事が言えるんだけど、人から貰えるのはあくまでも基本的理念と既存のパターンだけです。発展させるのは自分の仕事!まあこういうのは本当にやればやるほど発展していくもんで、みんなでその成長を楽しみましょう。別に人生捨ててそれに賭けろとか言わんからさ。

オマケ・悪口

「慣れた人とやる」「知らん人とやる」というのは結構ジャズメンは皆やってるものなんだけど、それで終わる人がジャズ界には多すぎ。挙句の果てに「ジャズはこういうもん」と枠を当てはめる人が多すぎ。ジャズをやる人がジャズしか聞かないって本当論外だと思う。正解が無い音楽をやってるくせに、みんな正解を求めたがるのな。それは他人のやってる手法、過去の偉人達がやってる手法だ。それが全部だと思ってる。知らん人とやるのは刺激になるけれど、それがあくまでも「ジャズ」というカテゴリの中だけで動くなら、それもまたマンネリに繋がるんですよ。
まあそれは音楽やる人ほぼ全般に言えるかな。既存の音楽だけが全てだと思っちゃいけません。俺の中で音楽の縛りってのは一つしかないと思う。それは「自分の熟練した種類の楽器でしか熟練した演奏が出来ない」という事だ。本当それだけだよ。それ以外は何でもアリです。
実は世の中の人は意外と何でもアリが嫌いなんだと思う、という結論を持って、本日のバッキング考は終了ー。