ジャズを考える


 ジャズは非常にシステマチックな音楽である。メロディ構造を和声的見地から分解してランダムに再構成している。同時に、ジャズは非常にアナログな音楽である。生の楽器を人間がその場で演奏する音楽だ。最近やけに麻雀が好きになってきた自分だが、こう考えると麻雀とジャズは共通点があるね。あとはゲームで言うと風来のシレンだろか。不確実さと理屈が噛み合わさった時にゲームとして中毒性を持つのかも知れない。あと、独りよがりになりやすい。
 自己完結してゲームを楽しむ為にジャズをするなら、ライブなんて要らない。ライブってのは観客の為にある。じゃあ、ライブでアドリブをする意味とは?システマチックに再構成するだけならライブの客に一見さんは入れない。ある程度ジャズの素養がいるからだ。その素養が無い人にとっては、アドリブ部位は単なる「テーマと後テーマの間の何やよくわからんダラダラした個人演奏」になってしまう。システマチックに音を作るのと「客に届く生きたメロディ」を出すのはまた別の話だ。それは、本当に全然別の次元の話だ。
 何が言いたいか良くわからんようになってしまったが、ジャズは本当に魅力的な、楽しい音楽ゲームだ。ただ、音楽としては限界があると思う。ジャズをやっていると、その魅力と限界をいつも同時に感じてしまう。