ジャズで寝る人が出るわけ


 ジャズという「音楽ジャンル」を聞いて「激しい!踊れる!」と想像する人は少ない。大抵の人は「まったり」だとか「大人な渋み」などのイメージを挙げるのでは無いだろうか。
 事実、ジャズを聞く環境に身をおいて早7年になろうとするが、俺は「ジャズ」という音楽に根ざすあの弛緩した空気がどうにも苦手である。したり顔のおっさんが煙草ふかしてビール飲みながら聞く、というイメージは未だに覆される事が無い。少なくとも、立って踊る人は居ない(はずだ)
 ジャズという音楽は「わかりやすくない」「音が小さい」「音がゴリゴリしない」「山場があまり無い」、という、本質的に「弱さ」を抱えている音楽だ。もちろん長所は沢山あるし、素晴らしい音楽なのだが、現代の様々な音楽を耳に通した一般の人にはその「弱さ」がどうしてもあらわになってしまう。俺はジャズを聞きながら寝てる人を沢山見ている。「生演奏だね」という事以上に価値を見出させない人も、沢山見ている。ジャズを聞きに行く人が何故限られてしまうか。何故、自然と内輪内輪になってしまうか。


 それが、俺が長年格闘している「難問」である。音楽は人を魅了しなければ価値は無い。ライブは発表会では無い。母校でも来月演奏会がある。そこらへんを考えて、音楽をする人は音楽をして欲しい。俺もそうする。