生徒さんに望むこと


 ピアノレッスンをしてから2回が経った。今までの「何となく弾くのがアドリブ」から「考えるのがアドリブ」へと少しずつ習慣付けが始まっているが、やはり格段に疲れるので苦労はしているようだ。レッスン中に昼寝休憩とか出来たらバッチリなんだけど、そういう訳にもいかんからなー。
 頭を使う、というのは非常にエネルギーを使うものだ。一旦空になったら充足に時間がかかる。俺のジャズのやり方は特に頭を使う事を強制するので、使う事に慣れていない人は相当に大変だと思う。それこそ、最初は見様見真似でフレーズを練習した方が簡単なくらいだ。
 ただ、それだとジャズは「練習したものを再現する」だけのものになってしまう。俺はそういうのは好きじゃないし、生徒さんにもそういうので「分かった気」になって欲しくない。俺はもう少し別なものを望む。生徒さんには、俺が「即興のやり方」を教える事がきっかけになって何かの「花」を開いて貰いたいと思っている。その花は何なのか。勿論まだわからない。
 「可能性を見る」という事は、教える事の醍醐味だと思う。