「道」についての雑記


 言うのも難しいんだけど、とあるゴールが一つある。自分の位置からは結構離れてて、その距離も途中に何があるかもよくわからない。まあ、大体において俺の見る景色はこんなもんだ。
 これに対して色々なアプローチがある。まず、鳥のように上空に昇ってから全体像を確認しようとするやり方。大体このくらいだろう!と、石を投げてみるやり方。一つ一つ足元を確認しながら少しずつ進んでいくやり方。他にもあるかも知れない。
 頭の良い(と自覚している)奴は最初の道を選ぼうとする。全体像を見て、そして一番の近道を見つける。あとは進むだけだ。だが、その連中の中にも頭の悪い人間が陥る罠がある。全体像を見つけた瞬間に「終わった!」と勘違いしてしまうのだ。自分がゴールに着いたと錯覚してしまう。そしてそういう人間は、一度は必ず挫折を味わう事になる。
 ゴールというのも「着いたら終わり」の世界ではないのかも知れない。着いたら着いたで、そこは堅い地面ではなくて絶えずゆらめいている海の上なのかも知れない。


 ああ、やっぱり書ききれない。「道」については、言語化する事すら簡単にいかない。ある程度行くと壁がある。進んでも進んでも何も変わらないが、とにかくもがく。すると、ある日それが壁では無くて扉である事に気づく。扉が開く。すると更に奥深い道が見えてゾッとするのだ。