発表会とライブの違い


 今日も引き続き近所の学祭に寄ってみる。今日は昨日よりは楽しめた。草野球が良かったね。野球ってあんま試合見ない方だけど、草野球レベルになるとむしろ見てるだけでノンビリする和やかなもんだと知った。
 で、サークルか何かの野外ライブをやってるんで、見に行く。そこそこ力量はあるはずなのにあのちぐはぐさは何だろう。ボーカルがマイクを持った。「今日の為に沢山練習してきました…」あ、こいつらは「発表会」をやってるんだ。「ライブ」をやってるのではないんだ、と思った。
 その人達は確かに修練を積んではいたのだろうけど、それはあくまでも自分達の中で積み重ねてきたもので、本番でさえ客に向けて「届けよう」と意識付けてやられたものではなかったように思う。正しい音を正しいタイミングでギュイーン!弾きました!しかしそれは音と音のバランスはキチンと取れているか?ボーカルは音を外さずに魅力的な声を出しました。しかしそれは客を相手にした「パフォーマンス」を出来ていたか?練習だとあそこまでで大丈夫だったのだろう。しかし、ライブというのは「客」に行なう行為である。踊り場の中だけで完結している音楽では、客には届かないのだ。(まあ、内輪の客は盛り上がってたんだから届いていたのかも知れないけど)
 間違えてはいけないが、ライブというのは「客に届ける」行為であって、「自分の自慢の音楽を聴いてもらう」行為ではない。後者を俺は発表会と呼ぶ。ちょっとの違いだが、演奏する時の小さな意識付けだけで実際のパフォーマンスは随分と違ったものとなるのだ。