妄想と実像



5年くらい前にネットで知り合って、それからずっとネット友達だったけど一度も会った事の無かったYさんが上京してきたので一緒にメシ食って渋谷とか恵比寿とかダラダラ歩いてた。
何ちゅうか、アレだな。当たり前だけどフッツーの兄ちゃんだな。
ネットでの知り合いは基本的に内面だけの会話しかしないので、そこらへんに歩いてる人とは違う何か特別なイメージをつい持ちがちなんだろうけど、モニターの向こうでタイピングしている相手は間違いも無く「ただの日本人」である。ネットのオフ会とか行きまくってそういう結論に達した。なので、もしネットで知り合った異性に恋愛感情を抱いたとしても、別に向こうはアイドルでも無い普通ーの姉ちゃんだったりするので、意気揚々と待ち合わせとかしてみると、実際会った時に一瞬素になったりする事がある。よくあるよくある。
昔はネット世界がマイナーだった分、かえって妄想が広がりやすくなったのかも知れない。
かく言う俺自身も、ネットでは色々と良い風に思われる事が多いのだけど実際は紛れも無い「ただの25歳のフリーター」である。それは間違いない。少し話はズレるかも知れないが芸能人やミュージシャンもフッツーの日本人だ。それを特別なものにしてるのは各人の妄想である。人間は、妄想の有る無しによって相手をただの一般人から特別な誰かへと格上げする事が出来る、真に愉快な生物だと思う。